LeanとGrowthとUX

http://d.hatena.ne.jp/kzfm0310/ からの移転

「Startup Strategy」 - 元IDEO Elle Luna氏とBrenden Mulligan氏

IDEOディレクターElle氏と
OneSheetの創業者Brenden氏(なんと2人は夫婦!)の
講演を聞いた「Startup Strategy」について。

Brenden Mulligan – ローンチ戦略

Brenden氏について

Brenden氏は http://onesheet.com/:OneSheet というサービスの創業者。
OneSheetはアーティストが自分のWebページを簡単に美しく作れるサービス。
ミシェルブランチなんかが使ってるらしい。すごい。

講演の概要

サービスをローンチする前~した後、何をすれば良いか、を
すごくシンプルで分かりやすく説明してくだいました。

1.ゴール設定

  • ローンチする時に【学びたい事】を【3つ】決める。

2.KPI設定

  • 【3~5つ】のKPIを設定
  • KPIは定量化できるもの

3.KPIチェックのダッシュボード

  • 自分のKPIをビジュアライズする(数値、グラフ等)
  • メンバー全員が毎日みる
  • メール等でアラートする

4.プロモーション

  • Techcrunchに載ることを気にしない、Techcrunchに載る≠成功
  • ターゲットが読んでいるメディアに載ることが重要
  • サイトを共有したくなる要素を入れる(サービス自体がプロモーションされるようにする)

5.フィードバック

  • 複雑なサポートは不要、自分のメールアドレスを設定するだけで良い
  • 機能リクエストなどもいらない。
  • 人間味のあるメールを心がける(わざとスペルミスしたらい、話口調にしたり)

感想

個人的には項番1、2のビジョンや目標がフォーカスされてて感心。

フォーカス=シンプル=美しい

あと、ガつン、ときたのはプロモーション。
TechCrunch、載りたいよ(笑)


Elle Luna – デザイン戦略

Elle氏について

IDEOのデザイナーで、今はデザインとイノベーションのコンサル。
人と文化を深く理解しデザインをおこなう。
話して下さったのは、
『Startupを立ち上げる際にデザイナーのように考える5つのTips』。
デザインはスタートアップの本質であり、
不確定要素が多いスタートアップにとって、
課題を理解し課題の周りにあった事象を考えられるデザイン思考は大事、と。

1.人から始める

  • スタートアップ時、チームの中で色々話して、ブレストするのは、ナンセンス。
  • 人と会い、話し、どういった課題を持ってるかを聞く事が大切
  • チェック!
    1. 自分の周りの人の課題を観察できているか
    2. 面倒くさいながらも、やっている、やり終えてる理由とモチベーションは何か?
    3. 面倒ながらもやっているステップそのもの、どういうステップか?その裏の心情。

2.話すのをやめ、作り出すこと

  • とにかくソリューションをつくれ
  • Dirtyでみすぼらしくて構わない
  • 良いアイデアは形にすることが大切
  • とにかく作り、ユーザーとインタラクションすることが大事
  • チェック!
    1. プロトタイプを通して何を学びたいか
    2. いちばん早く学びたい事を学ぶために何をすればいいか
    3. 自分のチームでプロトタイプをつくるために今何ができるか

3.たくさんの仕事を投げ出すための準備

  • 作りだしたほとんどのプロトタイプを投げ捨てる覚悟が必要
  • さらに、無駄なものも排除
  • チェック
    1. 解きたい課題を1つにフォーカス
    2. 無駄をそぎ落として常に問いかける
    3. 無駄を排除してUXが高まっているかにフォーカス

4.できる限りの時間をスタートアップをやっていない人と語り合う

  • 起業家は束になってイベントに集まるが、起業家だけとコミュニケーションをしていると、起業家向けのアプリを作ってしまいがち。シリコンバレーはそんなクソサービスで溢れてる。
  • 起業家以外と話をすること。
  • チェック
    1. スタートアップ業界以外の誰と会話しているか
    2. 自分の頭の中のイメージが合っているかどうか、検証できているか
    3. 課題を持っているユーザーの文化にアイデアがとけ込めるか

5.プロダクトを人間味のあるストーリーで語る

  • 製品とユーザーがインタラクションする時に感じた感情を表現する
  • プロダクトのUXとして記憶されるのは機能ではなく、感情とブランド
  • 参考になるGoodな例

http://www.youtube.com/watch?v=4Krky4i6Xk8:ToropicanaのVideo


感想

さすが、元IDEO
人間中心ですぐにプロトタイプを作って、
ユーザとインタラクションを繰り返すことを実践してる。

特に、1と2が出来ない事が多すぎて滅入る。
1って結構本質で。
簡単に会える人=簡単に話を聞いて、課題を見つけられる最高の顧客。
そして、想像や架空の人格をたてるより、よっぽど現実。
身近な人も幸せにできなければ世の中の多くの人は幸せにできないね。
ま、1が出来ないから2が踏めないのだと思うことにする。
スキルがなくて逃げてるとかはもう、論外。

あと、確かに、と思ったのは起業家は起業家で集まるってとこ。
同じような人ばっかだと。
それがイケない訳ではないと思う。
けど、たぶん、発想はせばまるし、ユーザに会わない限り前進はないだろーな、と。

そんな事を思いました。